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serial experiments lain 20th Anniversary Blog

陰謀論者による視点 A Conspiracy Theorist's View

Written by Man In Black (Alternative Journalist)Published at the present day, present time. "All Reset" 魔法の言葉だ。私たちは随分前にそれが宣言されたのを聞いた気がしているかもしれない。しかしこのリアル・ワールドで、その言葉を聞きたくはな…

ファンアート・ムック「BREAK THE BORDER」

このタイトルに込められた意味は、恐らくは「ファン」と「公式」、「リアル」と「ワイヤード」、2次元と3次元――、そういったものが「領域」なのだろう。そして確かに、その領域は崩れていた。 2018年夏のファン主催イヴェント「クラブサイベリア」は、「seri…

TEXHNOLYZE 15th

今年2018年が「serial experiments lain」放送20周年であるなら、「TEXHNOLYZE」放送から15周年という事になる。 これまた公式では何の動きもなかったのだが、コミケで昨暮から3回連続でスタッフも巻き込んだ同人誌(というよりは自主製作ムック)が作られた…

Duvetのシングルレコード発売

夏のクラブサイベリアが終わった頃だったか、disk Unionのシネマ館レーベルの人からフォロー要請があり、DMを貰った。「Duvet」を放送20周年の今年、かつては出された事のないアナログ・レコードで発売したい。ついては本ブログの文章をライナーに転載してよ…

調査中間報告 Word of Mouth

夏のクラブサイベリア、冬のクラブサイベリア大阪と、リアルに「今、lainに強い関心を抱く人々」に触れあう機会があり、その度に放送時の視聴者層よりも若い事に驚いてきた。 作品自体が視聴者それぞれ異なる受け止め方をされる様な作りになっているのだから…

クラブサイベリア Layer_2 in Osaka

11月26日、プレイステーション用ソフト「serial experiments lain」が発売20周年を迎えた。 12月1日、再びシオドア(@teodoro_m9)氏が中心になって呼び掛け、シオドア氏の地元大阪で、ゲーム版「lain」をフィーチュアしたファン・イヴェント「クラブサイベリ…

中原順志氏と連絡がつく

凄いな4Gamer記事の注目度は(と言ってもこの記事を面白がったのはヴェテラン・ゲーマーだろうけれど)。 PS版「serial experiments lain」のディレクター、中原順志氏とはここ10年近く連絡がとれていなかったのだけれど、記事を読んだ人が当人に伝えてくれ…

Playstation版「lain」

www.4gamer.net 4Gamerがアニメと同じく20周年という事で、ゲーム版を回顧する企画をしてくれ、先日記事が公開となった。 担当の人は「クラブサイベリア」にも来ており、我々のトークも聞いている。 取材はサイベリア開催時からそう時間が経っていなかった頃…

クラブサイベリア ねとらぼ Report

7月7日のファン主催クラブ・イヴェント「クラブサイベリア」には海外からも含め複数のWebメディア取材が申し込まれていたのだが、「ねとらぼ」が独占で記事を書いて戴いた。 トークの質問で黒沢清監督の「回路」との関連を問われ、あまりJホラー話を詳しくし…

Blu-ray Boxの発売

2010年、「serial experiments lain」のHDリマスター作業が行われる。大々的な作業で多くのスタッフが関わるが、上田Pが自分でもチマチマとしか進められない作業を担った経緯は、彼のブログに記されている。 serial experiments lain Blu-ray LABO プロデュ…

放送後

放送開始時は誰も見てないのではと思いながら、次第にスタッフは検索で「lain」に言及しているサイトや掲示板を読んで、ちゃんと見てくれている人がいる――と、モティヴェーションを上げた事は前に記した。 シナリオはもう視聴者の反応を受けてどうこう出来る…

an omnipresence in wired

「lain」の安倍吉俊画集「an omnipresence in wired(遍在) Yoshitosi ABe」(かつてソニー・マガジンズから発売されていた)が復刊ドットコムで復刻版として発売された。 ゲーム、アニメ双方の為に安倍君が描いた多くの版権彩色イラスト、モノクロスケッチ…

Layer:11 Infornography - Editing Infornography

今になってだが11話の補遺。 「lain」のビデオ編集は、やはりInfernoではなく(もう型遅れな時期だった)、ハレオという当時最先端のシステムで行われていたそうだ。 11話Aパート総集編は、上田Pだけではなく中村隆太郎監督自身も手をつけていて、34時間?く…

Layer:13 Ego - End Credits

最終話は各話で作監を担当されてきた関口さんと丸山さんの二人態勢で務められた。 作画期間は2週間。岸田さんも最後まで力を尽くされた。 動画・仕上げはシリーズを通して韓国の星山企画(異体字)にお世話になった。 背景は美峰と獏プロダクションとが交代…

Layer:13 Ego - lain is still there in wired.

オープニングに隆太郎さんが描いた歩道橋の場面は、最終話でこういう形で私が結着をつけた。 改めて言葉にしても何だが、玲音とれいんの対話でもあった様に、ワイヤードは単に繋げる場であって、それは歩道橋も同じなのだ。 「lain」シリーズは、PlayStation…

Layer:13 Ego - Footbridge Over Troubled Water

アブノーマル版アバンに直結して、夕刻の街の場面となる。 これは渋谷といった特定の街ではない。オープニングがそうである様に。 美しく成長したありすが、婚約者と新居の相談をしながら歩いている。 恐らく伴侶に選ばれたのは、中学生時代に憧れた教師なの…

Layer:13 Ego - Alone in Shibuya city

ぶぉおおおんと一際ノイズが高鳴り、 極限的なフォーカス・イン・アウト そして久しぶりに縦書きの「黒味にスーパー」 「しまえばいい」の行はゆらゆらと定まらないまま。 そして、これまでの毎週冒頭にあったノイズ―― 「プレゼント・デイ、プレゼント・タイ…

Layer:13 Ego - Signal of Solitude

電車が過るカットから、仲井戸"CHABO"麗市さんの「孤独のシグナル」が流れる。この曲はエンディング「遠い叫び」のシングルc/w曲で、「lain」の“イメージ・ソング”であり、本編で使われる予定は無かった。 最終話のダビング時、上田Pが席を外している間、こ…

Layer:13 Ego - The Final Solution

アバンも何もなく、いきなり玲音がノイズの中に現れる。「えっと……」 「またあたし判んなくなってきちゃって……」 自身の実在性を全く信頼出来なくなっている玲音。 「あたっして、誰?」 オープニング。 コンテ・演出:中村隆太郎 作画監督:丸山泰英 関口雅…

「lain」のオープニング

最終話の回顧に入る前に、やはりオープニングについて詳しく触れておかねばなるまい。 OP曲bôa「Duvet」については本ブログ初期既に記している。 恐らく2話とほぼ同時期にこのオープニングはコンテが描かれ、豪華な作画陣と極めて精緻な編集を経て作られた。…

Cyberia Layer_2

WASEI "JJ" CHIKADAさんの新譜「Cyberia Layer_2」は多くのゲストとのコラボで、もう完璧ガチなゴリゴリのフロア・サウンドなのだけど、ちょこちょことサンプリングで「lain」の世界観が透けて見えてきて、紛れもなく放映当時、直後の「Cyberia Mix」からシ…

アフターオフ会

クラブサイベリアの翌日、ファン交流「のみ」という趣旨のオフ会をシオドアさんが提唱し、くろぐろさんが幹事役を引き受けて、くらさん、落選組だったペリーさんなどがスタッフを務めて60人以上が恵比寿に集まった。「lain」製作時のPioneerLDCはその近くに…

一夜だけの幻のクラブが出現した

ファンによるファンの為のイヴェント、「クラブサイベリア」が無事、大成功となった。 メディアの方も来ておられたし、レポ担当の方も撮影担当スタッフもいたので、詳細なレポはいずれ上がると思う。 当日の午後一開場の様子をTweetで見ていたら、既にフロア…

Layer:12 Landscape - lain vs Deus

シナリオ本を見て貰えば、この場面の描写が如何に簡潔に記されているか判るだろう。 玲音対英利の描写は、ほんの一瞬、派手な事が起これば良いと思い、ト書きには何も記していない。 だが中村隆太郎監督がこの場面を簡潔に描く筈が無かった。 ショウちゃんの…

Layer:12 Landscape - Friendship or/and Love

唯一明かりが灯る部屋に近づく。 ドアを、明け―― 中に入ると―― 部屋中を機器とケーブルが埋め尽くしている事に絶句するありす。「これが――、玲音の部屋……」 その声に、ベッドにいた者が反応する。 シナリオでは「ケーブルを着た」と表現していたが、くまを抱…

Layer:12 Landscape - Alice heads lain's house.

私服のありす―― 電線の下、坂を上って岩倉家を目指している。 玲音の部屋だろう箇所の壁が異様な事に、ありすは既に不安を抱いている。 呼び鈴を鳴らすが――、ピンポーンの「ン」のピッチがダウンする。 応答は無い。 門扉に触れると、すぐに開いてしまう。 …

Layer:12 Landscape - Something fantastic will come.

ここから英利政美の長いモノローグが語られる。 英利の手法、手段はともかくも、彼の思想の根幹は「ある見方では正論」なもので、人という衰退した種族が今後進化をするなら、ワイヤードとシームレスで情報を入出し、最終的には欠陥の多い肉体から解き放たれ…

Layer:12 Landscape Exotic Towers

物語として閉じねばならない事柄は既に提起してあり、それらに結着をつけるのは当然だとして、如何にこのシリーズにクライマックスをもたらしたら良いのか――。 中盤以降のシナリオで私は常にそれを意識していたのだが、バトル物でもアクションSFでもない本作…

Layer:11 Infornography - lain smiles.

登校してくるありす。 実感の無いハイコントラストな世界。 玲音が感じていた世界を、今、ありすが感じている。 おはようと声を掛けてくる樹莉と麗華。 ありすは、グループデートの誘いを断ろうと切り出すと、樹莉はそんな話知らないと言い、昨晩はCUメール…

Layer:11 Infernography - Grayn

ありすはチャットをしているのではなく、「CUメール」という画像メッセンジャーを見ている。携帯機用アプリなので画質が悪い。 今なら日本はLINE寡占状態のIMだが、当時はICQというアプリがよく使われていた。「I seek you」でICQ。 なので仮想アプリとして…