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serial experiments lain 20th Anniversary Blog

Layer:11 Infornography - Editing Infornography

 

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 今になってだが11話の補遺。

lain」のビデオ編集は、やはりInfernoではなく(もう型遅れな時期だった)、ハレオという当時最先端のシステムで行われていたそうだ。
 11話Aパート総集編は、上田Pだけではなく中村隆太郎監督自身も手をつけていて、34時間?くらいぶっ通しで作業をしたという話を、過日のファン主催イヴェント「クラブサイベリア」で出番を待っている間に上田Pから聞いた(いや、当時も聞いていたのだが私が忘れていた)
 二人同時に出来る筈がなく、片方が寝ている間にガーーーーッと片方がやり、疲弊して倒れ眠ってしまう間にもう片方がおもむろに起きてガーーーーッとやるという地獄。
 で、当然「俺がこうやったのに何でこう直すんだよ」という喧嘩が始まる。

 11話Aパートの34時間は流石に修羅場の権化だった(納品リミットとの闘い)が、毎回最終V編は大体そういう殺伐とした……、
 あ、いやダビングも「bootleg」にある上田Pと竹本晃氏の回顧対談によると、こちらもかなーり殺伐とした感はあった様で、ともあれスタッフは皆、愉しくなんて到底思えないギリギリな闘いをしてたのだった。

 私は7話、9話の映像製作をしたぐらいだが、9話の頃は熱があってフラフラ状態でやっていたとシナリオ本には書いてある(全く記憶が無い)。
 しかしそれが出来ただけでも貴重な体験だった。
 現場が動く時点で、シナリオライターに出来る事はもう無いのだから。

 で、今になって思うのは、「lain」の頃はそんな風に隆太郎さんもオール・アウト状態まで詰め切る元気があったのだなぁ、という事だ。
 2010年BD-BoxのHDリマスター作業、上田Pは往時の勢いで取り組んでいたが、隆太郎さんは電車に乗れず、約束の場所までも来られなかったのだから。

 


 さて、一通り全話の回顧を終えた。
 この後はAXの連載など、書き残した事を幾つか書いたら一旦終了となる。

 見直して自分でも驚くのだが、「lain」と「デジモンテイマーズ」は自分で意識していたよりもずっと連続性、対称性があって、それについてはTwitterアカウントのそもそもの趣旨でもあったので、書くつもりだ。