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serial experiments lain 20th Anniversary Blog

Layer:13 Ego - The Final Solution

 

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 アバンも何もなく、いきなり玲音がノイズの中に現れる。
「えっと……」

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「またあたし判んなくなってきちゃって……」

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 自身の実在性を全く信頼出来なくなっている玲音。

「あたっして、誰?」

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 オープニング。

 コンテ・演出:中村隆太郎 作画監督:丸山泰英 関口雅浩

 最後のサブタイトルは「自我」

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 前話リプライズから始まる。英利政美の再肉体化変容を、玲音はありすを救いたい一心で制圧。

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 しかし、ありすはあまりの恐怖に精神が崩壊。

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「ありす!」

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 ここからは音楽も音響効果も全く無い。

 もうありすの目の前に玲音は、「友達」はいない。

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 玲音は必死にありすの両手を持っていたのだが、ありすに振り切られ、爪が頬を切ってしまう。

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 ひたすらに脅えるありす。
 玲音は――、

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 パニックが波状的に押し寄せるありす。
 
「あたしがありすの為にする事って、いつも間違えちゃうね。ホントにあたしって――」
 このダイアローグは隆太郎さんが加えた。

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 玲音はありすを抱き締める。もがこうと一瞬するも、ありすはすぐに脱力。

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 もう恐怖すらも感じなくなってしまう。

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「ありす、ありす、ごめんね、ごめんね」

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 溶暗。

 

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 そしてドーンと言う音と共に表示される「ALL RESET」の文字。

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 そして「Return」が押される。
 Returnで良かったのか、Enterの方が良かったのか……。

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 デジタル・ビデオ編集機の高速巻き戻しがモンタージュされ――、

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 全てがノイズに消えて――

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 長いホワイトアウト

 


 
 ここからの展開は、視聴者には軽い失望と共に予想がされていると思っていた。

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 もーーーん
 電線ノイズ。

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 ハイコントラストで影の中には赤。

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 一話からのバンク。

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 岩倉家の玄関が開く。
 が、誰も出て来ない。

 日常の食卓。
 洋食と、

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 和食。

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 洋食は美香だけ用。「ごちそうさま」と中途で立ち上がる。

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 この後、康雄に「まだ途中じゃないか」と窘められ、美穂に「ダイエット中なんですって」という台詞で終わる筈だったのだが、コンテ段階で「言わなくていいって、そんなの」という台詞を短いのだがオフ台詞として足して貰った。
 美香は手だけしか描かれていないのだが、間合い的には入りそうなカット割りだったので、隆太郎さんは了解してくれた。
 

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 着払いの荷物に関する会話。「また計算機のですか」


 もうコンピュータを計算機とは呼ばなくなって久しい。
 納豆を混ぜる、糸を切るといったロングの芝居がリアル。

 康雄は、使われていない席の事が気になり、美穂に「なぁ」と呼び掛ける。

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「なんですか?」
 

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「いや、何でもない」

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 この家族はこの3人だけだったのだ、最初から。

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 ワイヤードは日常の風景に溶け込んで――

 玲音がいない電車内。

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 そう。これは玲音が最初からいなかった世界。

 

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