電車が過るカットから、仲井戸"CHABO"麗市さんの「孤独のシグナル」が流れる。この曲はエンディング「遠い叫び」のシングルc/w曲で、「lain」の“イメージ・ソング”であり、本編で使われる予定は無かった。
最終話のダビング時、上田Pが席を外している間、この一連の場面には用意されていたBGMではなくこの歌物になっていて、慌てて発売元の東芝EMI(当時)に確認をとったところ、快く承諾されたという。
「遠い叫び」が、まさに悲哀を歌うブルーズであるのに対して、メジャー・コードのアーシーなロック「孤独なシグナル」は、シングルとしてはバランスがとれているものの、確かに「lain」ではなかなか使いどころが無さそうな楽曲だった。
しかし最終話、「玲音が予めいなかった世界」を見せるパートは結果的に、この曲が無かったらもっと皮肉さが際立ち、見ている人を意図以上に苛立たせたかもしれない。
そう思うと、この曲が作られていて本当に良かったと当時から思った。
歌詞を見れば、単に明るい曲ではなく、寧ろシリーズの根幹部分にも関わるメッセージ・ソングになっているのだ。

鴎華学園の登校場面。
初等科の子ども達が交じっているので新作カットだ。
一話の玲音の様に、立ち止まる影。

だがそれはありす。何か心に引っかかりを覚えている。

と、ありすを呼ぶ声。

樹莉と麗華が合流し、今夜サイベリアに行く話をしだす。

ありすは「ならメールしなきゃ」とNAVIを出すのだが、

一体誰に出すのか自分でも判らなくなっている。

その内、「あの子はもう駄目だよ」と指で示したのは――


四方田千砂。一度クラブに誘ったが、全く楽しめずに帰ってしまったらしい。
ありすの挙動を心配する樹莉だが――、

ありすは「そっか」と自分で納得する。

「記憶に無ければ、最初から無かった事。記憶に無い人は、最初からいないって」

この後、シナリオではありすはもっと吹っ切れた台詞を述べるのだが、コンテで「お勉強しましょう」と真面目なものに変更されている。

電線で繋がった――

渋谷宇田川町。横断歩道で荷物持ちじゃんけんするキッズ。

多分、永遠にマサユキが負けていそう。
横断歩道を渡っていると、坂上から降りてくる――


と、タロウのNAVI(モーゼルC96グリップ風のこのタイプは、PHANTOMa少年が使っていたNAVIなのだが)に通知。


タロウのNAVIのOSはKids OSというものらしい。そのインターフェイスにノイズが走り、一瞬姿を見せる玲音――
だがタロウに見覚えはない。ミューミューが「誰その子」とこれはいつも通り。


小さな妹を連れているのは、


2話のアクセラ少年。

妹は3話の「ガッチャ」というかビケちゃんを持っていた幼女。
NAVIを巡ってタロウと軽く絡むのだが、この件はシナリオには無く隆太郎さんが加えたもの。言うまでも無く必要な追加だった。

そして坂を下りてくる英利政美。「やめてやるあんな会社やめてやるぼくにあんな事させるなんてやめてやる」――。

彼だけは不幸な様だ。


ふと目を脇にやる。

電線工事をしているMIB。



林とカール。
盗聴・物理ハックの基本はこうした地味な作業で、彼らはインテリジェンス・ビジネスでもかなりランクが落ちてしまったらしい。

何を思って工事を見ていたのか、プロトコル7構築のヒントを得ようとしたのか――、
再びぶつぶつ呪言を言いながら去って行く。

美術設定で建物などは変えられているが、明らかに宇田川小学校下がモデル。
