登校してくる玲音。
前々回、玲音は「更にもう一人の玲音=lain」が取り返しのつかない罪を犯した事から、自分が本当に「なんだって出来る」存在であるというのなら、全校生徒の記憶を消去しようと試みた。しかし、lainが自分の代わりになりすまし、玲音自身は存在していないかの様な事態に悪化してしまった。
自室で籠もっていた前回、玲音は鬱々と考え続け、記憶の修復を試みていたのだろう。
これで元通りになった事を期待して教室に恐る恐る来たが――
ありすは全く玲音に気づかない。
そして席につこうと――、
玲音の席がない。
立っているのに、玲音は誰にも見えていない。
「あたしはここにいるよ」
「こういう事がない様にって気をつけてたのに」
観ていて心を痛める描写だが、玲音の今の気持ちは、決して玲音という特殊な存在にしか感じられない情動ではない。こういう気分を自分は勿論、他者に感じさせて欲しくないという気持ちを込めていた。
すると、気配に振り向く。
色を無くしたありすが無機的に言う。
「そうだよ。玲音はこのリアル・ワールドには必要が無いんだよ」
勿論これは、玲音のディリュージョンであり、ありすがそんなことを言う筈がないのだが、玲音は再び記憶操作を大失敗したのだ。
とぼとぼと帰宅していく玲音。
影の方が大きい描写――。
シナリオではMIBと遭遇していたのだがオミットされる。
部屋から漏れ出した臓物は増大している。