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serial experiments lain 20th Anniversary Blog

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Layer:07 Society - lain and Alice

授業中、玲音はコードを高速で見ている。恐らくLisp。 携帯NAVIまで拡張している。 ありすは玲音がワイヤードに没入していく事が心配でならない。 そして二人目のナイツ――は実に、その、な……、 しかしこの背景凄い。 すいません。完全に「ステロタイプ」なキ…

Layer:07 Society - Knights of the Oriental Calculus

リアル世界では全く面識無い同士が、ネット内で共謀する悪意あるハッカー(クラッカー)という存在は実際に実例は無かったものの、「いても不思議ではない」とは思っていた。 デウスを信仰し、様々な意味のある無しに関わらずミッションを遂行するオンライン…

Layer:07 Society - His name is "RAT".

玲音とワイヤードの脅威となっている「ナイツ」なる組織とは何かを明かすのが今話。 冒頭のヴォイス・オーヴァーは、「かくしてネットではデマゴギーが成立するか」について。 コンテ:中村隆太郎 演出:松浦錠平 作画監督:丸山泰英 ナイツに爆破された玲音…

Anonymous in history

「serial experiments lain」に登場するKnightsについて説明をする前に、実際のネット・コミュニティの中に於ける匿名発言の在り方について、現在までの流れをざっくり述べておきたい。なるべく簡便に記すが、それでも各話回顧に入れるには分量が多くなって…

Layer:06 KIDS - Parasite Bomb

玲音は自室の肉体に戻り、ナイツに問い質す。 これまで玲音に優しく接してきたナイツが、若干混乱している。 はぁ、と天井を見上げると――、レーザー・ポインタの光点再び。 もうか弱い玲音ではない。 床の水を跳ね上げながら、部屋を飛び出していく玲音。 そ…

Layer:06 KIDS - Kensington Experience

ホジソン教授が以前行った実験は「ケンジントン実験」というものであった。 子ども達の脳から微弱に発せられるPSI(マイクロPSI/超能力というより超知力)を脳外のアウター・レセプターという裝置によって採集し、ウィリヘルム・ライヒのオルゴン・ボックス…

Layer:06 KIDS - lain in wonderland

部屋に帰ってきた玲音は、既に「ワイヤードのレイン」の様に気が強い顔になっている。 乱暴にリップを拭い、「Hello NAVI」「Connect」という通過儀礼を行うが、これまでは単にインターフェイスとの対話だったのに対し、ここからは玲音の意識変容を経てワイ…

Layer:06 KIDS - Friends

玲音の携帯NAVI入力が高速化している。 ありすは玲音が以前の様に、内向きな感じに戻っている事を懸念している。 やはり玲音はワイヤードばかりだと知るや麗華が「ネットパルなんて」という台詞を言うが、これも当時にも無かった言葉だ。昔の古式ゆかしい「…

Layer:06 KIDS - Into wired

中村隆太郎監督の演出法が見え始めた頃に書いたエピソードだった。 私は実写であれアニメであれ、30分(22分)には最大限に情報量を入れ、細かいシーン・バックで展開させる方が多いのだが、「serial experiments lain」では極力、静的な話法を貫くべきだと…

このブログについて

「serial experiments lain」が放送されて20年になる、という事でファンの有志の方々によってイヴェント「クラブサイベリア」が7月7日に開催される(チケットは既に完売してしまったがキャンセル分が今後僅かに出るかもしれないので、シオドアさんのアカウン…

「玲音って切ないよね」

「serial experiments lain」シリーズの監督を探している時期、トライアングル・スタッフの浅利社長と、当時はフィールド・ワイに属していた鈴木誠二氏の推薦で中村隆太郎さんが監督に迎えられる。劇場作品は既に何本も手掛けていたが、テレビ・シリーズは初…

エクストリーム・アニメ

中村隆太郎監督参加以前の構想と参加後の全体構想とでは、結末以外は大きく変わってはいない。しかしナラティヴの面では180度近く変わった事は間違いない。 シリーズに着手し始めた1997年はドラスティックな変化がある時期だった。神戸連続児童殺傷事件が起…

Layer:05 Distortion - Destruct cognition

意識変容状態で気づくと、美香は渋谷交差点の真ん中でへたり込んでいた。 その美香を見ている、歩道の人々はまるで人間ではない何かに変容していく。 魚眼レンズ接写はこのシリーズで度々導入されるカットで、リアルに像を歪ませている(Distortion)。 キャ…

Layer:05 Distortion - I want you to love me.

出来事の順番など、シナリオから更に難解に時制を入り組んだものになっている。これは隆太郎さんの修正コンテの指示だと思う。 美香は苛立つと髪をかき上げる癖がある。これはシナリオにはなく、岸田さんのデザインから導かれた演技。 ふと気づくと、スクラ…

Layer:05 Distortion - Deus

5話目にしてついに中村隆太郎監督はコンテを譲るものの、13話の内コンテを担当していないのは5,9, 10話のみ。またその3話分も結構手を入れてはいる。 5話は「一番怖かった」という人もいた程、特異な回になった。コンテ+演出は村田雅彦さん(ずっと後にACT…

Layer:04 Religion - Full Range, Full Motion

少年の供述は、実際の時間軸はずっと後の時制のもの。 PHANTOMaはアプリとしてダウンロードされるのだが、ワイヤードでそのアプリケーションが幼児の鬼ごっこアプリと悪意あるリンケージが張られていた。 先程の「ワイヤードの声」によると、それは「ナイツ…

Layer:04 Religion - PHANTOMa

学校では少年の不審連続死事件の噂で持ちきり。「3年の男子」という台詞を書いてしまったのもここ。いや申し訳ないとしか……。 しかし当時誰も気にしていなかったのも不思議だ。 玲音はすっかり明るい性格になっていて、ノリも軽くなっている。本来なら喜ば…

Layer:04 Religion - Metamorphosis

私がオリジナルで物語を作る場合は、主人公とて変化をしていくのが通例だ。最初に提示したキャラクター観がそのまま維持されないので、キャラクター物として観ようとすると違和感を抱かれる場合が多い。当然、キャラクターだけの事ではなく各話で提示する物…

lain 玲音 レイン れいん

同時視聴会の話数も進んできた。 4,5話は中村隆太郎監督参加以前に書いたが、1クール構成なので既にセットアップも終わる事になる。 こうして回顧を書くのは、20年という長い長い時間が経っているからで、そもそも抽象的な物語を言葉で説明する事自体は実に…