2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
ACT.3は再びサイベリアが舞台となる。 玲音はPsycheをどうしたらいいか情報を得る為に、サイベリアへ向かう。 今夜は地味な格好。 家を出る時、黒塗りの車の中から玲音を観察するレーザー光点が二つに増えているのが判る。 誰か訊ける様な人はとクラブ内を歩…
教室ではありす達が質問責めに遭っていた。ありすは玲音に近づいて謝りたかったが、なかなか近づけずにいる。それを見て玲音は微笑み「大丈夫」と知らせる。 ありす、それを見て安堵。 と、画面内では前夜サイベリア事件の事を音声で流れていても、ヒロイン…
2話まではコンテ・演出をこなされてきた中村隆太郎監督だが、3話から演出を委ねざるをえなくなる。3話は松浦錠平さんが演出。「lain」のシナリオを何時から書き始めたか、NASに保存してあるファイルを調べたが、後半からはPDFが保存されていたものの、序盤の…
NAVIが動き出しても、千砂や誰か知らない人物からのメールは来ていない。 携帯NAVIの方にはありすからのメッセージが着いている――という事はアカウントはリンクしていない様だ。 ともあれ消極的にだが、玲音は街に出る。 玲音は安倍君も版権毎に新規な衣装を…
この回のメインのメッセージがこれなのだが、他のあまり意味のないテキストと紛れさせている。「人はみな、つながっている」のが「lain」のテーゼで、それは良きにつけ悪しきにつけ、そもそもそうなのだという前提だった。 ワイヤードがどの様にリアル・ワー…
子ども用NAVIが文字化けする程まで酷使するに至っている玲音。 姉の美香は、シナリオではそれほど剣呑なキャラクターと想定していなかったが、中村隆太郎監督のコンテは徹底的に相手と目線を合わせない演技をさせている。 超ハイコントラストな玲音の学校へ…
名前すらない「少年」がアクセラという精神高揚剤を摂取する。 最初は普通に薬物にしていたのだが、当時でもテレビでそういう描写は駄目だったので、だったらメカにしておけばいいや――という問題では無かったのだが、一応これで通ってしまった。 アクセラと…
視聴者に異様な体験をさせるのが1話なら、2話からは徐々にドラマとキャラクターを(比較的には)判り易い語り口で提示していく。 しかし勿論、判り易いレヴェルというのがこの作品の場合は通常とは異なるのだが、それでも「ああいかん、判り易過ぎる」と揺り…
1話のAct:3は些か書き急ぎ過ぎてしまった。 1話のシナリオについて書き忘れた事を。 人身事故で急制動を掛ける電車の描写が引きのまま1カットで描かれていて、これがまた凄いカットだった。 シナリオでは「白地にビットマップ・フォント」で短いテキストを度…
さて長々と記してきた1話の回顧もここまでとなる。 最後のくだりについては、もうシナリオ云々ではなく、中村隆太郎監督の演出パワーに尽きるのだが、言及しておかねばならないのが、鶴岡陽太音響監督と音響効果の笠松広司氏の作り上げる音響デザインである…
玲音の「父」役・康雄をどういう存在として描くか、その結着のさせ方は、大林隆介さん(当時:隆之介)の演技を聞いてから決めた――と私は記憶しているのだが、1話のアフレコ後に終盤のシナリオを書いている事など有り得るのか、と考えると錯覚なのかもしれな…
シナリオ本が手元にあったら当該箇所を読んで比べて欲しいのだが、玲音が「千砂ちゃんからのメール」が心の中で大きなものになって、どうしても確かめたくなって初めて子ども用NAVIを起動するまでの流れを、シナリオではあっさりと書いていた。 中村隆太郎監…
シリーズの玲音以外のキャラクターに安倍原案は無く、岸田隆宏氏がゼロから全てデザインを起こされた。後にAX連載などで、安倍君によるありすや英利の絵も描かれる事になる。 ありす、そして級友の麗華、樹莉はいずれも「ありす in Cyberland」のヒロイン3人…
1話目だけは、何年かに1回は見返す機会があった。だがどちらかというと「見せる」というシチュエーションで、自分自身が没入して見返す感覚ではなく、冒頭の渋谷センター街の描写やコギャル(死語)など、流石に「古さ」を感じてしまうなぁという印象だった…
という事で各話回顧に入るのだが、1話はあれこれ説明事も多く、到底1エントリで書ける分量ではない(ので分記する)。 オープニングの入る直前、ノイズから「プレゼント・デイ、プレゼント・タイム」というタイトルが入る。 シナリオではあくまでト書きの扱…
20年前に1クールだけ放送したアニメだが、今尚現行商品が流通しているというのも今更ながら驚く。 シナリオエクスペリメンツ レイン 小中のシナリオに膨大な注釈を入れたもの。ソニーマガジンズ版を元に、復刊ドットコムが2008年に複写復刻し、上田P、安倍君…
「serial experiments lain」を各自所有するディスク、或いはAmazon Prime Videoなどのストリーミングで同時に再生し、Twitterで実況しようというネットならではのイヴェントが開催された。 7月に「クラブサイベリア」という20周年イヴェントを企画している…
各話を見直して行けば思い出す事もあるのだろうが、オンエアのどれくらい前にシナリオを書いていたかという感覚が思い出せない。 この頃の1クール深夜アニメは、作画イン時に全話のシナリオが上がっている――という前提ではなかったと思う。 製作の円滑さを考…
20年前、中学生(ばかりか小学生までも)がハンドヘルドPCを持つのが当たり前になる、と予想してはいなかった。 私が設定を手掛けた作品では、キャラクター名以外にアイテムの呼称を共有しているものがある。 代表的なものが「serial experiments lain」にも…
「serial experiments lain」シリーズを振り返る前に、触れておきたかったあれこれは、ここまでに記す事が出来たと思う。 今日、光ケーブルの工事が終わった。 電線、電柱、こうした風景は20年前と変わらない。 「serial experiments lain」各話回顧は、#ク…
「ウルトラマンティガ」の放送が始まって数ヶ月後(まだ初期クールだったと思う)、ゲーム会社からシナリオを書いて欲しいという依頼が来た。 で、その年の内には「ありす in Cyberland」はPlayStationゲームとして発売になったのだが、それが可能だったとい…
さていよいよ「serial experiments lain」シリーズについての話に(やっと)入り掛かるのだが、1998年頃は既に「サイバー」という言葉も一般に敷衍しており、殊更に新奇な概念でもなくなっている。インターネット時代に既に入っているのだから当然だ。 アニ…
サイトを立ち上げたが、自分のサイトにBBSを設置はしなかった。しかしメール・アドレスは公開していたので(サイト公開者でありドメイン保有者はそうする必要がある)、作品のファンの人からメールを貰う事が徐々に増えていった。 特に思い出深いのはやはり…
konaka.comというドメインを得てレンタルサーバでサイトを始めたのは、1996年頃だった気がするが今や明確に覚えていない。 1994年に、弟の和哉が監督で私が脚本を書いた「Alice6」というテレビドラマがあった。今はもうないレコード会社が企画した「エリアコ…
さて1990年代末から2000年代初頭にかけてのハードウェアについてはざっと述べてきた訳だが、ソフト面を振り返る。 パソコン通信時代はBBSが基本だった事は先に述べたが、電子メールも今のそれとほぼ同質なものが90年代には使われていた。 ただ、各商用BBS内…
若い人には信じられないだろうが、パソコン通信も初期のインターネットも、通話回線で従時課金で接続していた(つまり接続中は通話が出来ない)。 私は経験ないが、固定電話の受話器に音響カプラーというものを被せての通信だと1200bpsが最大だった。 パソコ…
「serial experiments lain」のストーリーや諸設定は、決して未来を予測する意図ではなく、既にネットが普及していたとして、それがどういう可能性を持つのかを(かなりひねくれて)仮想的に想定したものだった。 ただ、事象的には結果的に実際そうなるもの…
ネット回顧はお休み。 7月に開催されるファン主催の20周年記念イヴェント「クラブサイベリア」に、DJ Wasei "JJ" Chikadaさん、安倍吉俊君、私に続いてトークに岩倉玲音を演じられた清水香里さんが出演すると発表になった。 告知更新!lainと言えばやはり玲…
1994年頃にMacを購入し、すぐさまモデムという電話回線でネットにつなげる裝置も揃えた。しかしここからのハードルが高かった。 Mac用の通信ソフトはJtermという市販ソフトがあったのだが、この頃のネットとはインターネットではなくあくまでパソコン通信。…
毎日更新するつもりはなく始めたが、何か更新しないと落ち着かない。 前回のエントリの最後に記した「ポスト・Apple」は、UbuntuなどのLinux Distributionが一部広まったくらいで、結局はWindows7以降安定したMicrosoftとMacOSXという二軸プラットフォームは…